交通事故によってケガをしてしまってその治療に整骨院を使いたいけれど、自分の行きたいところではなく保険会社から指定されてしまった、というようなケースも珍しくないようですね。
この場合、保険会社から治療費の支払いを受ける側としては、納得できないような思いに囚われてしまうかもしれないのですが、基本的に日本ではフリーアクセスの原理というものがあります。

フリーアクセスの原理とは何かというと、患者さんが治療するのはどこでも構わないというものですね。
ただし、病院や整骨院のように国家資格を有する機関に限る話となるのですが、これについては制限を受ける必要はありません。
ですので、原則として相手の保険会社から指定された整骨院に通う、通わないというのも被害者のさじ加減1つだと考えて良いでしょう。

勿論のこと、相手が指定した整骨院以外であっても治療費の請求を行うことは可能なので、その点はしっかりと把握しておいてください。
しかし、こうした交渉ごとを普段行わない人の場合は、どうしても躊躇してしまうかもしれません。

ですので、悩んでいるのなら先ずは自分がかかりたいと考えていた整骨院で相談をしてみると良いでしょう。
最近では交通事故のケガの治療で整骨院を利用する人も増えていることから、そうした悩み事の相談についても無料で行ってくれるところが増えているのです。
中には、交通事故のケガを専門的に施術している整骨院などもあり、そうしたところは保険会社との交渉も豊富に行っている実績があるので、安心して相談することができるでしょう。

整骨院にて交通事故で負ったケガを治療するといった時、自動車保険に加入していなくても大丈夫なのと心配する人がいるかもしれませんね。
そこでまずは自動車保険について、おさらいしておきましょう。

自動車保険には自賠責保険と任意保険の2種類があります。
この内、自賠責保険は自動車を購入した時に加入が義務づけられている保険となることから強制保険とも言われています。
ちなみに自賠責保険ですが、加入しないままに公道を走ることはできませんので、最低でも自賠責保険には加入しているはずです。
もう1つの任意保険ですが、こちらはその名が示す通りに加入の義務はなく、任意で加入する保険となります。
しかし、任意とは言っても、いざ事故を起こした時には損害賠償が自賠責保険だけでは賄いきれないことも多いので、加入している人も少なくありません。

そして、交通事故によってケガを負った場合ですが、基本的には健康保険ではなく、相手方の自賠責保険、任意保険によって治療を行うことになります。
この時に事故証明という書類が必要になってきますので、必ず警察に届出をしなくてはいけません。
基本的に自賠責保険は事故による被害者の救済を目的として創設されている保険なので、被害にあった人への補償のみとなります。
つまり、自分自身が負ったケガ、自動車など物品への損害賠償には利用できないので、その点は覚えておきたいですね。

結果、公道を走っている以上、必ず自賠責保険には加入していると言えますし、仮に加入していなかった場合は事故を起こした相手がケガの治療にかかる費用などすべてを自腹で支払うといった形となります。
ですので、特にその点については気にしなくても良いかもしれません。

交通事故にあった時には様々な症状が起こります。
運が良ければ、擦り傷くらいで済むこともあるでしょうが、多くの場合で何かしらの症状が出ると考えて良いでしょう。
ここでは交通事故によって出る代表的な症状を考えてみます。

最も良く出る症状として知られているのが、むち打ち症ですね。
むち打ち症とは頸部に起こる痛みなどが代表的な症状なのですが、非常に個人差が大きく症状の出方もまた大きな違いがあります。
肩こりがあるなといった程度の軽症から、首をまったく動かせなくなるほどの重症まで様々です。
また症状が出る時期についても幅広く、事故直後から出るケースもあれば、数週間ほど経過してから症状が出ることもあります。

次に多いのが腰の捻挫ですね。
腰の痛みに関しても、症状の出方は様々ですね。
立つことができないくらいの痛みが出るといったこともありますし、腰に疲労感を感じる程度のこともあります。
また、腰に強い衝撃を受けた時などは、年単位で長引くこともあるようです。

他にも多くある症状としては、眩暈や耳鳴り、身体のだるさなどのようなケースですね。
これらの症状はいわゆる不快症状であり、一見すると交通事故が原因とは考えにくいものだと言えます。
日常的に起こりうる症状と言っても良く、なかなか判別がつきにくいのですが、交通事故が原因となって起こることもあるようです。
ですので、素人判断でこれらの症状を日常の不快症状だとは決めつけてしまわずに、きちんと専門家に相談するようにして下さい。

交通事故でケガを負った時、後日になってから症状が出るというケースも少なくありません。
事故の当日または翌日というのなら良いのですが、仮に1週間後だった場合、2週間後だった場合などのように期日が開いてしまうと、どうなるのかと不安に思う人もいるはずです。

そこで交通事故のケガによって数日後に発症した症状がある場合ですが、基本的に短期間であれば特に問題になることはありません。
そもそも交通事故によって受けた損害の賠償請求というのは事故が起こった日から自賠責保険では2年、任意保険では3年という期間内であれば請求することが可能です。
つまり、この期間内であれば請求そのものは可能になるのですが、事故の日から半年後に症状が出たといった場合は、その症状と事故の因果関係を求められることになり、それを証明するのは難しいかもしれません。

ですので、大切なことは事故のあった日からなるべく早い内に少しでも痛み、違和感のあるところは病院にて診断書を取っておく事。もしくは診察時に医師にきちんと報告しておくこと。あとは整骨院で早めに治療を開始することですね。
症状があるにせよ、ないにせよ、後日になってから発症してしまいましたでは遅いこともあるので、最初の内に整骨院に通っておくのもポイントです。
整骨院ではまだ自覚症状がなかったとしても、問診や徒手検査等で症状がわかることもあります。

特にむち打ち症などに多いのですが、事故後数日は症状がなかったのに急に症状が出てしまうということもあります。
既に示談交渉が終わった段階で、症状が出てしまうと相手方に治療費の請求をすることもできませんので、まずは早めに相談してみると良いでしょう。